雨夜の山荘で君は惑う
非常に王道なミステリー推理もののゲーム。
旅行先のペンションで大雨やらなんやらで外部との連絡が取れなくなるよくあるパターンで、殺人事件が起きます。
難易度は比較的やさしめ。文章をめんどくさがらずに読み飛ばさなければ、ストーリー内で登場人物がしっかり考察してくれるのでほとんど自分で考える必要がありません。とても楽。まぁそれなりにちゃんと読んでおけば最初の推理パートまでに2~3人くらいまではすぐに絞り込めます。逆にそこで解けてしまって、それ以降のストーリーをやらずにクリアする人も多そう。難易度が低いために逆にもったいなくなってしまっている。
また、犯人さえ当ててしまえば勝手に解説してくれるので、これまた自分で考える必要もなく楽です。ただし登場人物自体が多いので、犯人がわからないと大変。
気になった点としては、
・ミスリードを誘うようなヒントみたいな発言が多いこと。キリストの話とか意味あったん?
・メグミを犯人に思わせようとする描写がしつこい。
・外は大雨なはずなのに、なぜかオーナーの部屋から見える外は晴れていること。
・犯人を詰める内容が、大きな事柄を指摘するのではなく、けっこう細かい内容をちょいちょい指摘して、「それで認めちゃうんだ」って思いました。ノベルゲーム特有の追い詰め方。
・犯人って片目をえぐってたと思うけど、その理由って解説あったっけ。
・『しらが』ではなく『はくはつ』なら最初にフリガナ振ってあげたほうが良い。
・知り合いが医学部生ならその設定を使ってほしかった。特に本来重要となるはずの一回目の検死時が異常にあっさり。
あとはキャラクターCGの出来は普通に良いと思いますが、この作成作業が作品の完成時間を遅らせているとしたら特に作らなくてもよさそう。
『深海』ミステリー フリゲ PC
かまいたちの夜タイプの推理ゲーム。推理に関してはとても硬派な推理もの。
深海に設置された研究所内で起こるバイオハザードやアウトブレイク。
深海である必要性はあまりなかったりするが、閉鎖空間や何より雰囲気作りに一役買っている。
選択肢自体は少なく、最初の犯人当ての時の難易度がかなりの高難易度(キーワード入力あり)に対し、それ以降の犯人当ては超低難易度となっていて難易度の差がかなり極端になっている。最初の犯人当てに失敗すると、ストーリーを進めていくうちに誰が感染しているか等は一周目でわかってしまう。
推理小説のように論理を詰めて初見で犯人を知らずに解きたいのであれば、最初の犯人探しの選択肢の段階まででクリアーする必要がある。ただし、最初の謎解きでクリアしてしまった場合、以降の失敗パターンが消化試合になってしまうが。
プレイ時間は1~2時間程度。サウンドノベルものに漏れず、序盤の導入部分はかなり退屈だが、あまり読む必要もなかったりするので面倒なら流し読みしてしまってもいいかもしれない。
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ヒント ネタバレ 解答
最初の犯人当ての段階で推理するための情報は一応すべて出ている。(かなり酷いが)
それまでそれなりの選択肢があったが、どの選択肢も推理には関係がなく選択肢によって情報が得られないということもない。
ちなみに、研究所に降りてくるまでの情報は特に意味がない。(逆にミスリード的なものはある)
真面目に推理する上で理詰めで必要になってくるのは、感染者がどのように感染を拡大させようとしたか。
そして、感染させられる人間側でアリバイがないものは誰か、という基本に忠実な推理が必要になってくる。
敵がかなり突飛な設定なので、無茶苦茶な行動をしてそうな感じがするが、やっていることは至って普通のただの推理系ゲームだと思えば意外と簡単かもしれない。
犯人自体は比較的なんとなく最初の犯人当ての段階でわかるが、キーワードを入力する必要があり、それがよくわからない人が多いと思われる。
根拠としてはかなり薄い詰めになると思われるが、登場人物が確実に自分の所有物を使用しているという前提のもので考えると、あるアイテムが捨てられているのは矛盾につながるらしい。
雪しまく血
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深海と同じ作者が制作したゲーム。かなりの短編。
推理ゲームではなく、推理できる要素がある感じ。
雪山・遭難・小屋・殺人とよくあるパターンだけど、それはそれで別にいいと思う。慣れたし。
ネタバレ感想
基本的には、クリア以外はバッドエンドに繋がっていて、クリアルートは一つしかない。
最後までわからなかったのはタイトルの『雪しまく血』という意味。
もしかしたら、序盤に説明があったのかもしれないが、サウンドノベル系のゲームは序盤を読み流すくせがあるので読み飛ばしてしまっていたのかも。
そして、他人のプレイ動画を見てようやく気が付いたのは、心霊系の犯人だったんだなってこと。
恋人の男はわかっていたけど、深町めいこがまさか死んだ本人だとはクリアした後でも気が付いてなかった。てっきり、山で死んだ深町めいこの妹あたりが復讐のためにやっていたと思っていたけど、まさか本人が幽霊として実行していたなんて。
ハム太郎は手を下していないって発言が出たときに、ん?と思ったけど、これ本当に深町芽衣子が全員に手を下していたのか。とても女じゃ無理な所業だからハム太郎がやってたと思ったけど、幽霊の超常的な力ってことなのかな。
大概これ系って幹事が犯人だったりするパターンが多いので、まぁ今回もそうだったけど、まさか幽霊が犯人だったというのは初めてのパターンかも。幽霊に見せかけた知り合いが模して実行してたってのはよく聞くパターンじゃないですか。その理解が追い付かなくてクリアしても理解してなかったし。で、どうやってハム太郎と幽霊の深町芽衣子は共謀したり事前に計画したりしたのか。
まぁでも短編で良かった。長編で長い時間推理をさせられたあげく、実際の犯人は数年前に殺された幽霊でしたってオチだとイラっとしていたかもしれない。
タイトル以外で結局よくわかんなかったのは、
・深町芽衣子が実際にされたこと。それと、殺された連中が顔見知りじゃないってことは、それぞれが遭難中、深町芽衣子と別々に接点があったってこと?
・山小屋周辺を捜索するときに、なんでピッケルに血をつけたか。あれって必要だったっけ。
・なんかオフ会に研究室の二人で参加するみたいな話だった気がするけど、ハム太郎はオフ会の部外者の参加も認めたの?もし二人で参加していた場合、主人公も結局狙われたのだろうか。
ちょっと残念な点は、クリア後のおまけシナリオ中はタイトルに戻ったり、セーブ・ロードなどの動作ができないこと。あとは読み飛ばしのスピードが遅いこと。
風の殺意
高校生の部活動内での話です。高校生のアベックが渡米を決意し、その送別会をお金持ちの部員の別荘で行うことになりましたが、そこで事件が起こります。
このゲームは事件の推理ものではなく、事件をきっかけとして動き出す登場人物の内面を読むようなストーリーものだと思われます。
実際、犯人やその動機までも、ゲームを開始して数分で察しはつくでしょう。
他の推理もののゲームのように、フラグやトリック等が選択肢としっかり結びついていない印象なので、トゥルーエンドに行きたい場合は総当たりに近い感覚になるかもしれません。けっこう大変です。
気になった点としては、立ち絵から先に仕上げたのか、立ち絵の方が下手で、イベントCGの方が上手です。特に立ち絵は登場人物がすべて片側に傾いて描かれているので、少し気になります。
『犯人はまだ寮の中にいる!』完全攻略(弐ではなく壱)
フリーゲームにこんなことを言うのもなんなんですが、
久しぶりにクソゲーだな!って思って、しかもはっきりとした攻略がネット上に書かれていないようなので書いてやろうと思います。ストーリーがどうこうよりも攻略手順や解決ルートへの進み方がクソです。ムカムカ。
サウンドノベルゲームとしてはよく出来ています。トリック自体もよく出来ていて、特に大きな穴もないと思います。
ベストエンディングに至る序盤の選択が複雑でなければかなりの良作だったと思いますが…。もしくはその選択をした方が良いと思わせるヒントのようなものがあれば。
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このゲームのクソなところは、主人公の行動によって正しい選択肢が発生し、それを選ばないとクリアできないところです。いや、それだけならまだOKなんですが、その主人公の行動ってのがひどすぎて、殺人現場調査中の行動できっちり調べ過ぎるとダメというものです。しかも、別にそのことに対する劇中の具体的なヒントは特にありません。例えばかまいたちの夜1~2で特殊ルートに入る時に歪な選択をしたり等、普通はしない行動をしないとこのゲームでは本編のクリアができないと言った感じです。
ここの現場調査。まずここは調査の回数制限があり、すべてを調査することはできません。4箇所くらいを調べると寮の管理人が来て、調査が終了してしまいます。ヒントも何もない状態で取捨選択して調査しろってのもどうかと思いますが、これはまだいいです。
そのうちの窓の鍵を調べるとこんな感じでテキストが進み、
そして、ここ。
詳しく調べる か 他を調べるの選択肢が出ます。
ここでなんと『詳しく調べる』を選択すると絶対にクリアできません。
いやいやいや。一応そんなに調べても意味ないよとは書かれてるけど、現場調査を詳しく調べたほうがダメとか知らんがな。これが唯一のヒントか?
しかし、逆に1回だけは窓の鍵を調べないとクリアできません。調査の回数は制限があるので、他を調べていてタイムアップが来てしまって窓を調べずに終わるのもNGです。
詳しく調べてるとこの展開。次は何を調べるかとすぐに選択肢に向かいます。
1回だけ窓の鍵を調べると、この展開。
この時に真犯人がしゃがみこんで証拠を改ざんしていました。この部分を見ないと絶対にクリアできません。
逆にここでの調査はこの角川のしゃがんでる姿さえ見ていればOKだったりします。
一応流れ的には主人公が窓の方を調べていて視覚的に見られてないから『今がチャンス!』と作業をしてたんでしょうが、思いのほか窓のチェックを終えるのが早すぎて見られてしまった、という感じでしょうか。
特に具体的なヒントもなく、トライ・アンド・エラーでこれを発見して、ストーリーの最後の最後の推理まで変化があったかどうかわからないのはかなり酷いです。ここでの調査を成功していると推理モードで『しゃがんでいる角川』の選択肢が増え、ベストエンディングに進む材料になります。
あとは、クリア上ではたいした意味はありませんが、ストーリー上の推理では大切なドシャっという音。
これも現場調査を途中で切り上げなければ、手に入れることができないヒントだったりします。現場をきっちり調べようとするほどNGって酷い。
しかも、このゲーム、本編中に真犯人のヒントがほぼありません。殺人動機に関してもまったくと言っていいほどヒントがなく、犯人当て後に、説明されて、あ、そうだったんだってわかります。動機は二の次で『この殺人を実行できるのは誰か』の視点で解いていく必要があります。
またベストエンディングが推理最短ルートのゲームではありません。むしろすべての推理ルートをスルーして最後の最後まで待つ必要があります。
あと、特に意味のない日付打ち込みの描写をカットすることができません。けっこう何秒も時間をとられます。何回もやり直す人はかなり邪魔なはずです。
どうでもいいけど、頸動脈を切るとか手首を切るとかならカッターでもわかるけど、主人公をカッターだけで殺しに来るのはかなり無理があると思う。まぁそれでも死ぬんだけど。しかも2発で。
犯人はまだ寮の中にいる!ベストエンディングへの道
ポイント1。まずは2章の現場調査。上に書いてある通り、窓の鍵を1回だけ調べて真犯人のしゃがんでいる姿を見ます。
あとはどうでもいいです。別に入口側のドアの鍵を調べなくてもクリアできます。
3章、4章としつこく推理できるけどやめておきましょう。
とっとと英なんとかって友達が推理するのを見届けるところまで進めましょう。
ポイント2。途中で事情聴取された結城から情報を聞き出せます。
これは重要です。現場調査と違って特に制限もないので、全部聞いてしまえばクリアフラグが立ちます。
とりあえず室内については聞かなくてもクリアできますが、あえて外す必要もありません。
そして、最後のルートへ。英田の推理を聞き終わったら、黙って→深く考えましょう。
これが最後のキーワード合わせの答えです。しゃがんでいる姿を見ていないと出てこない選択肢があるのでまずクリアできません。
ようやく謎解きエンディングへ。
ちなみに公式ヒント↓
これもかなりわかりにくいです。ちなみに弐でもヒントが非常にわかりにくいです。
このゲームの作者は推理ゲームを作ることができても、ヒントが必要な攻略本を作る才能はないでしょう。
取捨選択とか言っても通常プレイじゃ無理だろうが!
これは書いた通り。これが絶対フラグです。逆にこの3ポイントさえ抑えておけばあとは適当でもクリアできます。
なんかあえてわかりにくく書いてるのかなんなのか。とにかく、間違ってたら無理ですよーってことですね。
このヒント必要か・・・?
正しく調べろとか、だーかーらー!正しく調べる方法を教えろよ!
選択肢番号の合計値が11とか、もうそれメタすぎて全然作品に関係した論理的なヒントじゃないだろ・・・。
『かげろうは涼風にゆれて』謎解きアドベンチャー
個人的にけっこう世界観やキャラが好きなゲームです。
推理ゲームというよりは、よくわからんことをやっているのでそれをどうにかして謎解きし、主観者にとってベターな結末を迎えるのが目的です。
主人公や教授の娘でパートナーとして一緒に行動する青海ちゃんが物分かりの良いというか、理解が早く、サバサバしていて決断力があり非常に好感が持てます。明らかにおかしな状況や自らの運命、境遇に落ち込んだりウジウジしたりしません。これほどあっさりしていると少しくらいはセンチメンタルやナーバスにならなくていいのか逆に不安になります。しかも中学生なのに。
タイトルの意味はクリアした後でもイマイチよくわかりません。なんかもっと良いタイトルをつけられたような気もします。
クトゥルフ神話っぽい感じもしますが、まぁクトゥルフ神話自体が神話とついていながらここ100年くらいで新しく作られたしょーもない話なので知らない人は気にしなくていいでしょう。
ゲーム内は主人公の主観から見た状況や景色や物事しかわからず、主人公が感知していないところで何が行われているかを明らかにしていく必要があります。
ホラー要素は全然ありません。
攻略のポイントとしては4箇所のポイント巡りはアンケートに大まかな答えが用意されています。感覚で答える、という内容ですが、教授の気に入らない回答ではボツになり無駄足となります。ゲーム内の説明どおりに受け取って素直にアンケートしてはいけません。主観の文章的に良く感じていたら良いアンケート回答を、なんか微妙に感じていたら悪いアンケート回答をすれば教授は満足します。教授が不満足で不合格を食らうと本当に無駄な1日で終わるので注意が必要です。
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感想
推理ゲーム等と違ってかなりぶっ飛んだSF世界なので、矛盾点や無理なトリックなどは特に何も感じず、ケチのつけようがありません。ただまぁ実際こういう実験をするのであれば、得体の知れない獣を門番として使うよりも訓練を受けた人間が対処した方が本来は抑止力になる気がします。
初回プレイ時はよくわからず島から帰ることになると思います。最終的に生存エンドに進むためにはすべての日数を完全に効率的に使い切る必要があります。1日たりともあそびの日がありません。けっこう難易度は高いです。
基本的にはやっちゃいかんよと言われてることをやると異変が起こったり展開が先に進むようになります。
自らがクローンとしての境遇を認識したとしても記憶や感覚は本人とまったく同じなのに、自らの運命を受けれることや死に対して恐ろしくあっさりしています。主人公、青海ともども「どうせもうすぐ死ぬなら思い切りやってやろう!」みたいな思い切りがよく、現状の自分は捨て駒となってやりたい放題行動し、実際本当に死にます。
学者の谷浦さんは実はもっと状況を把握していて飄々として活躍してくれるかと思ったら、ちょびっと情報くれたくらいで全然役に立たなかったのが残念。
『神林家殺人事件』パソコン用
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かなり意味深な感じの前書きからはじまるストーリー。
フィクションではないそうです。へー、実在する事件なんだと思ってはじめました。
クリアまでの時間は2時間ちょっとくらい。
ちなみに主な推理モードは2か所でどちらも1発で解けました。おそらく難易度はかなり易しいです。
他の推理系ゲームと違って、ゲームのフォームがRPGツクール系みたいな感じとなっています。ゲームコントローラーで操作した方が操作しやすいと思います。
物語としては、インターネット上で知り合った推理系好きな人たちがオフ会としてその中の大富豪の家に集まるが、といった感じです。
今回は一発でクリアできましたが、まぁ事実を積み重ねればこの人が犯人だろうとなった感じで、けっこう無理があるなーと思う箇所が多々あり、一発でクリアできたにも関わらず個人的に名作とは思いがたいです。
作者の表現したい結果から作られた内容が表に出すぎていて、本当にその設定は必要だったのか?と思うことがけっこうあります。奇抜さやプレイヤーのやられた感を創出したかったのはわかりますが、ある程度ゲームや物語になじむ内容でないとすんなりとは受け入れがたいです。
犯人当ての時に名前入力をキーボードで直接する必要がありますが、正直(名前入力があるなら、一発変換で出やすい登場人物の名前にしといてくれよ・・・)と思いました。
考察
まず攻略で面倒だったところの攻略を書きます。停電でブレーカーを上げる必要がありますが、このゲームは無駄に部屋が多いので探すのが大変です。本当に無駄に部屋が多いです。もしかしたらブレーカーのある部屋の説明とかがあったのかもしれませんが、正直流し読みしていたので記憶にございません。そんなこんなで分電盤のある部屋は南2階倉庫です。
大きなクマのぬいぐるみとか誰も入っていない甲冑とか悪魔の像とか意味深なものがたくさんありましたが、どれも意味なかったです。何度か訪れたのにかなしい。
エンド0への進め方
このゲームには、表の真相と裏の真相があり、まぁ裏の真相が本当の真相らしいですが、犯人の行動としては表の犯行や真実よりもかなり無理がある内容となっていて、リアリティ面から見るとエンド0『虚無への供物』は完全にこのゲームの質を下げています。このゲームをテレビドラマ化したらツッコミされまくるでしょう。たとえば幼女時代(7歳)の芦田愛菜ちゃんが数分の間に阿部寛や小栗旬を殺害して生首にしてた、とかどう考えても無理ですから。
そもそもこのゲームは『ノンフィクションで実在する事件』や『フェアな推理』など事前にプレイヤーに明確に提示することによって一定の信用や興味心を得ているはずなのですが、それらは結果的にまったくすべてが嘘なので悪い意味で読者を裏切っています。
表のストーリーでは描写されている内容で大雨の日が、実は本当は湖面が完全に凍りついて雪が降る日だったとか、しかもそれを雨の日はアリバイに、雪の日はトリックに使ったり、どう考えても本来の真相にたどり着くはずがない真相となっています。どこがフェアなんだ。こんなこと言い出したらプレイヤーの予想を裏切る展開なんていくらでも作れます。
ノンフィクションで実際にあった事件という『まえがき』も、このゲームそのものが作中作なのでそういう表現しましたーって話なんでしょうけど、少なからずその説明でワクワクしたプレイヤーもいると思われるので、ノンフィクションは嘘ですネタでしたってことになっても、許容できない人は一定数いるし、失礼です。
家政婦さんが強烈な新潟弁らしいですが、正直新潟弁なんか知りませんし、他の家の人間は標準語を話すのでこの人だけが頑なに新潟弁を矯正せずに来客を接客しているのも不自然です。そもそも純粋に文章として読みにくいです。はっきり言ってこの家政婦さんの発言は全部ボタン連打で流し読みしていました。まぁ事件と関係ないので問題ありませんでしたが。
とにかくこのゲームでは不必要な設定が多く、まぁ製作者がこういう結果ありきのゲームを作りたかったからと言われてしまえば必要な設定だったのかもしれませんが、かなりきついです。
まず、真犯人が7歳の女の子。頭脳的にどれほど天才かはわかりませんが、肉体の筋力や体力的に無理がありすぎます。この事件には頭の良さなんかよりも肉体的な天賦の才と日頃からこの事件のために筋肉を鍛える努力の方がよほど必要な事件でしょう。
このゲームは推理ゲームっぽく時間の報告が細かくされていますが、逆にその過密でタイトに刻まれたスケジュールが表示され、その時間について考えた時に、この短時間で7歳の女の子が犯行をすべて終えるのは、かなり無理があるという生易しい言葉ではもはや許されません。絶対に不可能です。何人の登場人物がいたか記憶にありませんが、確か首を切り落とされたのは男が5人で女性が7人くらいでしょうか。10人以上の人間の首を一晩で、しかも一体に付き作業時間は10分もかけることができずに切り落とすなんて地下室にギロチン台でも設置していない限り無理です。しかも若い男性の太い首を現場で切り落とすとか・・・。凶器についてはナイフくらいしか情報がなかったと思いますが、少なくとも大ぶりのオノかチェーンソーはないと可能性すら生まれません。それを扱うのも筋骨隆々の大男じゃないと。
しかも、ちょくちょく時間の報告があるので、推理に必要な情報なのかと思ったらほとんど推理に関しては意味もないっていうね。
しかも首を切り落とすだけではなく遺体交換なんて工作を行い、服も着替えさせたりしています。いやいやいやいや・・・。7歳の女の子ですよ。生首を移動させるだけでも生首は5kgくらいあります。それだけでも大変なのに、しかも遺体を移動させて遺体チェンジさせていたのは生首じゃなくてボディの方だったとかもうね、絶対無理です。というか表の犯人(JK)でも無理です。男の複数犯くらいは用意してくれないと。
犯行時には血しぶきの返り血もかなりあると思いますし、それに伴い着替えも膨大な量になるでしょう。それでも血の匂いはつきますし、時間的に毎回お風呂に入っていたとも思えません。しかもちょくちょく主人公と会っていて姿を見せているのにいつも涼しい顔をしています。汗ダラッダラの顔してなきゃおかしいでしょ。何がノンフィクションでフェアな推理なのか知りませんが、もうねクソゲーです。
『幼女戦記』というアニメを見たことがありますが、あれ見てるとこれって別に幼女である必要なくね?って思ったりしました。まぁ売れるために『幼女』ってつけたほうが話題性があったということなんでしょうが、このゲームも特に7歳の女の子で有る必要性はそんなにないかなと思いました。といっても別にこのゲームの場合は売れるためとかそういうつもりはまったくないと思いますが。
でもまぁ少し年齢をあげて10歳くらいにしちゃうと1992年くらいに発売された『狂った果実』の月島 美夏とたいして変わらないし、しょうがなかったのかもしれない、うーむ。
ちなみに狂った果実とは、主人公に惚れた10歳の天才美少女月島美夏ちゃんが、主人公に近寄る女を窓から突き落としたり、青酸カリを飲ませたり、焼却炉に閉じ込めて焼き殺したりして片っ端から自分以外の女を処理していくゲームです。うーん、狂ってる笑
それでも一応非力な少女でも実現可能な犯行となっています。
魔界塔士Sagaの神みたいな問答はじめてもう何がなんやら。
ちなみに部屋でノックされても起きずにずっと寝ているといきなり大音量とホラー画像が現れます。これが一番ビックリして怖かった。
その後に置かれている紙。よくわかりませんでした。まぁ知らなくてもクリアできたし意味のない紙と文字なんでしょう。納得。
犯人当てで失敗するとめちゃくちゃなロジックを解説しはじめたりします。あ、ネタモードに入ったなってすぐわかります。
神林 太郎のゴミ箱にあったメモも重要な情報なのかと思ったら意味なかった。悲しい。
だいたいこういう推理ゲームって物語が動き始めるまで興味が起きなくて流し読むのから、最序盤に重要情報を書いておくってのは良い手なのかもしれない…。
このゲームの特に必要なかったと思える設定として主人公とヒロインの性別の入れ替わりがあります。つまり、悠が実は女性で、玲於奈が男性だったと。本当これに関してはくだらねーなと思いました。
しかし、この手のゲームでは本当に性別が実は逆だったって展開好きですね。それでもゲーム本編に関わらなければ笑い話で終わったのですが、このゲームでは無理やり絡ませてきます。これがよくない。
絵的にもどう見ても男と女ですし、悠と玲於奈って名前からしてもどう見ても男と女ですよ。それで実は逆だったなんて言われても、はぁ?って感じです。LGBTなのか女装癖なのかわかりませんが、せめてレズビアン同士ならまだ許容できました。
しかも、今どき自分のことを『僕』と呼ぶ女性なんて珍しくもないでしょ?なんてエラそうに。普通に珍しいし、なんでそんなに「当たり前でしょ?」みたいな圧力をかけた話し方してくるんだ。
第一人称が僕のボクっ娘なんて、少女革命ウテナかあのちゃんくらいしか思いつかないくらい特殊です。
この性別が逆に見える話って別に必要ないですよね?指子がいきなり見抜いた理由も何かあるわけでもなし。
プレイヤーにやられた感を無理やり作るための設定にしか思えない。
フェアに作れ、フェアに。
そういえば、家の人間も知らないような地下室の存在を7歳のガキがどうやって知って、どうやって専有していたのか。もしかしたら説明あったかもしれないけど、まぁもうどうでもいいか。
中夜の考察
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短編の推理ものです。特に殺人などは起きずに学校内で起きた事件を解く話となっています。日常生活で起こる事件や謎を解く『氷菓』的な。
プレイ時間は10分くらいでしょうか。
事件自体は簡単に解くことはできます。が、具体的に文字入力で回答する必要があります。
事件の犯人や偽装工作がわかっていても、解答を探すためにもう一度ゲームを見直すことになるでしょう。
なぜなら、犯人の具体的な名前はゲーム中に一箇所しか書かれていません。その固有名詞を調べだす必要があります。
一応文章トリックが仕掛けてあって、犯人の名前はダジャレの中に隠されています。
これドイツんだ?みたいな。しょーもない。あ、でもどいつんだはオランダってネタにかかるので、ちょっと違うか。まぁでも雰囲気的にはそんな感じです。
感想としては、このゲームには姉妹が出てきますが、姉はけっこう怖い性格してるなーと思いました。本来の意図をしっかり理解せず、親友の説明も聞く耳持たず、誤解したまま勘違いして強烈な意思で距離を置いてくる人ってなんか怖いです。柔軟性がなく、融通もきかないみたいな。
テオとセァラ
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短編のゲームです。プレイ時間は5分~10分程度。
このゲームは推理ゲームではありません。
人生の決断はどちらを選んだとしても悔いが残る、ということをゲームを通して体験するゲームです。
要はセーブもなくオートセーブとなっていて、やり直しも効きません。もう片方の選択をしていたらどうなっていたんだろうなぁモヤモヤみたいなことを考えさせたいゲームだと思われます。
ちなみに私はゲームでまで現実の厳しさを知らなくていい派なのであまり共感できません。
まぁ実はある作業をすることでどちらも見ることは可能になります。もう片方の結末を見ても面白くないよ的な感じで注意書きが書かれていますが、私はモヤモヤするよりもスッキリしたいタイプなので普通にどっちのエンディングも見た方が良かったです。
もう一つの結末ならどうなっていたのかモヤモヤを楽しめるか、たとえつまらなかったり興ざめかもしれないと思っていてもすべてを知ってスッキリしたいのか、どちらかです。ちなみにこの作者はモヤモヤを楽しめと思って作っているのでそういう意味では私はこういうゲームには不向きな性格なのでしょう。
最終的な決断ポイントはココで、仲良くなった女の子を全力で信用して助けるか、そこまでは信用しないかという決断をせまられます。この選択肢によってエンディングが二分され、片方のエンディングは見ることができません。ここ以外の選択肢はまったく意味がありません。
エピローグの質にかなり差があるので、
『絶対にスパイじゃない』を完走してから『スパイかもしれない』のエンディングを見たほうが良いでしょう。そういう意味ではあまり公平なゲームではありません。
普通に考えるとセァラはスパイかもなぁと思うのでなかなか良いエンディングへの方へ最初に行く人は少ないでしょう。
エピローグの見方・再プレイの仕方
まずはエピローグの見方ですが、一度『終』まで進めてゲームを終えたあと、解凍したゲームフォルダ内にsaveのファイルが作られているのでそれを削除してから起動します。つまり、プレイヤーがもう一つの結末を見たいのでセーブデータを消してゲームを再起動するところまでがストーリーとして組み込まれた作品です。
エピローグを完全に見終わると『了』となります。
このゲームの本当のセーブデータはCドライブに自動作成されています。
私のPC環境では
C:\Users\(パソコンのユーザー名)\AppData\Roaming\theo_and_sarah_save
という場所にセーブデータもろもろが作られていました。パソコンのユーザー名は自身のユーザー名をご確認ください。見つからなかったらCドライブを検索しましょう。
このフォルダを削除すれば再プレイ可能でもう一つのエンディング、エピローグも視聴可能です。
ちなみにそのフォルダ内にある雑記.txtを解凍したゲームフォルダ内に入れるとゲームが強化されて別に消さずともリセットしたり、やり直し可能なゲームに変わります。
小此木鶯太郎の事件簿
1,湖岸の盲点 2,陰と陽の犯跡
これは推理ゲームというよりも、短編の推理小説をゲームにおとしこんだ感じのゲームです。
ゲーム中に特に選択肢はなく、問題編と解答編に分かれていて、問題編を読み犯人が逮捕される証拠を見つけ出し、それを解答編で合っていたか答え合わせをします。
基本的に、犯人視点でストーリーが進み、犯行はすべて見ることができます。古畑任三郎のように犯人の犯行現場からはじまってそれを追い詰める刑事の話です。犯行が先に見えると言った点では逆転裁判のようでもあります。
犯人視点だからなのか犯人はどれもけっこうポカをしまくるので、普通の犯人当てゲームをプレイした人からすると、何やってんだと思う場面は非常に多いです。ミスを4つあげよと書かれていても、え?ミスってたった4つしかないの?って思うくらい犯人はミスしまくります。
正直、問題編の序盤から小此木おうたろうに犯人はガンガン詰められるので、「よくこいつここまで突きつけられておいて自分が犯人だって白状しないな・・・」って思いました。
主人公の小此木警部補はけっこう軟弱なタイプで最終的に犯人にやさしすぎたりするので、好みは分かれるところでしょう。
個人的にはゲーム中に自らの選択によってゲームを進めたい、ゲームをプレイしたい気持ちがあるのでただただ読むだけのこのゲームは私には合いませんでした。クリックして読み進めるだけなのでなんか飽きます。
ほんのちょっとゲーム性がなくなるだけでずいぶん印象って変わるものだなと感じさせられました。
なんかすごく慎重に作ってるかと思いきや序盤で誤植があったり。
↑攻略済みで追加で書く予定のゲームです。
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